天地明撮☆彡

〜かんじんなことは、目に見えないんだよ。心で見なくちゃ〜

Canon EOS RPでガリレオ衛星を撮ってみた

最近は、スマホの星アプリが、通知でいろいろ教えてくれます。今年はガリレオ生誕462年なんですね。ガリレオ・ガリレイ(伊: Galileo Galilei、ユリウス暦1564年2月15日 - グレゴリオ暦1642年1月8日)か。ああ、ちょうど先日書いたブログで、グレゴリオ暦が1582年始まりでしたね。ガリレオがちょうどユリウス暦からグレゴリオ暦への改暦を跨いでいたんですね~。

ということは、ガリレオが生きた日数は、1642年1月8日-1564年2月15日から10日引かなければ。いや普通、日数まで計算しないでしょ。笑

(※この記事の最後に過去記事のリンクを張っておきますね)

 

さて、ガリレオと言えば、「それでも地球は回っている」ですが、天文少年だった私にとっては、何といっても「ガリレオ衛星」です。

私は、ミザール望遠鏡の1000mmを持っていたのですが、現代の望遠鏡ですから、ガリレオの時代よりはかなり性能は良かったんでしょうけど、まあ、子どもですからね、木星の衛星や土星の輪が見える、というだけで、すごく興奮した記憶があります。

 

子どもの頃(1970年代前半)は、天体写真といえば、まず「写真現像」が壁で、とても自分でできるなんて思えませんでしたから、たぶん、「写真を撮ろう」という考えもなかったと思いますが、最近、VESPERAで天体写真を撮るようになって、待ち時間に(笑)、星野写真を撮ろうかなと、Canon EOS RPを手に入れたので、ふと、これで、ガリレオ衛星が撮れるのかしら?と思ったわけです。

星景写真用にと思って手に入れたCanon EOS RPにEF-S望遠レンズをつけてみた

最初はバルブ撮影なのかな、と思ったのですが、AIに相談したところ「木星なら、マニュアル撮影の方がいいですよ」とのこと。おすすめの撮影データを教えてくれました。

撮影データ:カメラ:Canon EOS RP、レンズ:EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM(フルサイズ機にEF-SレンズでAPS-Cクロップ、400mm相当)、設定:M、1/6秒、F5.6、ISO3200

撮影地は京都市内。日時は、2026年2月20日23時50分頃です。

1/6秒なので、簡易赤道儀も使わずで、何枚か撮ってみました。

 

初めてのガリレオ衛星(撮って出し・トリミング)

木星本体は派手に白飛びしていますが、これは想定内。笑 木星と衛星の明るさの差は600倍以上らしいので、衛星が写る露出にすると木星は必ず飽和します。

 

RPで撮影したガリレオ衛星をステラナビゲーター12で再現してみた

なるほどね。東側(左)のがイオで、西側(右)がエウロパとガニメデなんですね。カリストは、木星本体に近すぎて、ハレーションに飲み込まれている。

下図は、手持ちの今年の『天文観測手帳』(技術評論社)に掲載されている2月のガリレオ衛星の運行図。これより2時間ほど後の写真なので、21日0時頃。東側にJ1:イオ。西側にJ4:カリスト、J2:エウロパ、J3:ガニメデとなっています。すごいですね~。天文計算って。

ガリレオ衛星の軌道(2026年2月)(天体観測手帳・技術評論社より)

 

何となく気をよくして、久しぶりに、ガリレオの『星界の報告』(伊藤和行訳・講談社、Kindle版)を開いてみました。これは、元はラテン語で書かれていて、ガリレオ衛星発見の様子がかなり詳しく紹介されている本なのですね。

ガリレオ『星界の報告』。ガリレオ衛星発見のようすが詳しく書かれている

ここに、ガリレオ衛星発見ときの観測で、ガリレオがスケッチした絵が載っていることを覚えていたので、では、ステラナビゲーターでそのときのガリレオ衛星のようすを「追体験」できるのでは?と思い、興味本位で、ちょっとやってみました。

 

「さて、今年1610年1月7日、その夜の1時に、覗き眼鏡で天の星々を眺めていたとき、木星が姿を現した。」 観測記録は、こんな感じで始まります。

ラテン語の原文:「Die itaque septima Ianuarii, instantis anni millesimi sexcentesimi decimi, hora sequentis noctis prima,cum cêlestia sidera per Perspicillum spectarem, Iuppiter sese obviam fecit; 

日付は、1610年1月7日。時間は夜1時。つまり、6日の深夜25時のことかなと、思い、場所も調べてみました。ガリレオのこの時の観測地は、当時のヴェネツィア共和国・パドヴァという町、とのこと。

続く、8日も観測を続けますが、ここには、時間の記録がありません。

う~ん、ガリレオ衛星は、特に内側の軌道のイオなどは、数時間でかなり見かけの位置が移動するので、時間の特定は重要なんですよね。

 

気になってラテン語原文をAIに確認すると「Die itaque septima Ianuarii, instantis anni millesimi sexcentesimi decimi, hora sequentis noctis prima」で、「さて、今年1610年1月7日、その(7日の)夜の1時に」という意味で、結論から言えば、7日18時ごろということでした。

当時、この地方では、古代ローマの時刻法の流れで、「hora prima noctis(夜の第1時)」は、日没後約1時間を指していたらしいのですね。

で、ステラナビゲーターで、この日の日没時間を見てみると、15時49分。薄明終了が、17時33分なので、観測時間は、だいたい夕方18時と考えて良さそうです。

というわけで、これは1610年1月7日18時(現地時間)のガリレオが眺めていた星空を、ステラナビゲーター12で再現したものです。

 

1610年1月7日の夕方。ガリレオが眺めていた星空です

晴天かどうかは、わかりません。笑 木星は東の空、月齢12.4の月の西側12度くらいのところですね。黄色のラインは黄道です。

では、望遠鏡で覗いているつもりで、一気に拡大してみます。

 

ガリレオ衛星が見えてきました。左上は黄道です。

ガリレオは、木星の近傍の小さな星が、(その日、ガリレオは最新の望遠鏡で観測したので、初めて衛星が見えたのですが)、最初は恒星かと思ったものの、それらが黄道と完全に並行に並んでいることに驚いた、と書いています。

では、さらに拡大してみます。

 

ガリレオが高性能の望遠鏡ではじめて観測した木星の衛星たち(図1のスケッチを参照)

翌日も、同じ時間に観測しています。これは8日18時のガリレオ衛星のようす。

 

8日の同じ時間。木星近傍の小さな星の配置が変わった(図2のスケッチを参照)

これから、2か月弱にわたって、ガリレオは毎日のように観測を続け、衛星のスケッチを残してるのですが、これは、その最初。7日・8日のスケッチのようすです。

細かく見ると、7日のスケッチで木星の東側(左)に描かれている2つの星のうち、木星に近い方は、ステラナビゲーターのシミュレーションでいうと、イオとエウロパが重なっているようですが、これくらい近いと、当時、最新だったガリレオの望遠鏡でも、分解することはできなかったようです。

ガリレオの残したスケッチのようす。ステラナビゲーターの図とよく一致している。

ちなみにこちらは、初めて4つの衛星をスケッチしたものです。ステラナビゲーターのシミュレーションもあわせてどうぞ。

初めて4つの衛星を確認したスケッチ。1月13日18時頃。

13日18時のガリレオ衛星のようす。イオがわずかに北に逸れていると記録した
(図6のスケッチを参照)

 

さて、もう終わりますが、笑 ネットでいろいろ調べていたら、ガリレオ博物館のホームページを見つけました。これが、1610年にガリレオの使った望遠鏡ですね。天体望遠鏡というよりは、遠眼鏡という感じですね~。対物レンズの周囲に紙を張って、収差を抑制したので、かなり視野が狭かったようですよ。


スマホの星のアプリの通知から、400年の時を超える、思わぬ素敵な思索の旅となりました。まあ、私の撮った写真は大したことはありませんが、笑 今のように、自動追尾なんてなかった、小学生時代。赤道儀のアームをくるくる回しながら、一生懸命、木星を追尾していたころがなつかしく思い出されます。

また、ステラナビゲーターで、ガリレオのスケッチをシミュレーションで再現できたことも、理屈はよくわかりませんが、物理現象というのは、そういうものなんだな、と改めて感心させられました。

ガリレオが、もし現代の天文機材を手にしたら、もっともっと大きな発見をしたのではないか。そんな気もいたします。

現代の私たちは、ありがたいことに、求めれば、その高度な望遠鏡を駆使して、思いのままに星空を駆け回れる。そのことに、感謝しなければ、いけませんね。

 

■参考文献:

ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』(伊藤和行訳、講談社)

■天文ソフト:
ステラナビゲーター12(アストロアーツ)

■使用機材:

Canon EOS RP
Canon EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM
三脚+自由雲台、レリーズスイッチ

 

 

 

 

 

世界史から消えた10日間

今年の1月13日だったか、今日はユリウス暦の1月1日、というネットニュースが流れてきました。ユリウスとはローマ帝国カエサル・シーザーのこと。ラテン語ファンの私は、興味をひかれ、ChatGPTに「ユリウス暦のお正月っていつ?」と聞いてみたのですが・・・。

 

ChatGPTの回答、例によって何気に長いのですが、「今年2026年のグレゴリオ暦1月14日は、ユリウス暦では1月1日にあたります」とのこと。

次はグレゴリオ暦か。もちろん知っていますよ。笑 現在の西洋暦ですよね。で、先のネットニュースでは、今でも、西洋暦によらずに、ユリウス暦の1月1日でお正月を祝っている地方がある、と紹介していました。

で、このユリウス暦とグレゴリオ暦の13日のずれですが、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世が断行した暦改革の結果として今日まで続いている、とのことです。

でも、なぜこんなずれが生じたのでしょうか。

それは、ユリウス暦と実際の太陽年との差(1年にわずか11分なのですが)にあったようです。

ユリウス暦は1年365日、4年に1回閏年(366日)を設けることで、1年を平均365.25日としましたが、実際の太陽年は約365.2422日です。その差が、わずか約11分14秒。つまりは、この小さな誤差が、長い年月をかけて大きなずれ(13日)となったようです。

話としては、わかるような気がしますが、エクセルで「確かめ算」してみました。

ユリウス暦とグレゴリオ暦の差の累積のようす

でも、この表、日数差の基準点が西暦300年になっていますよね。

実は、325年、「ニカイア公会議」という重要なキリスト教の会議で、「復活祭」の日付計算法が定められたのですが、それは、「復活祭は、<3月21日を春分として>、その後の最初の満月の次の日曜日」に行う、というルールでした。

※「復活祭(イースター)」は、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが3日目に蘇ったことを記念する、キリスト教において最も重要な「復活」と「繁栄」を祝うお祭りです。

ここで問題は、暦の上での3月21日を春分(つまり太陽が春分点を通過する時)とする、とした点ですね。

春分は、毎年3月20日〜21日頃、「太陽が真東から昇って真西に沈み、昼夜の長さがほぼ等しくなる日」です。いわば天文現象が基準です。今、毎年3月20日〜21日頃と言いましたが、これはグレゴリオ暦での話。そう、察しの良い方はお気づきのとおり、先のユリウス暦では、ちょうど1500年代、ローマ教皇グレゴリオ13世の時代には、春分の日が暦の上では3月11日頃にずれていたのです。

月の満ち欠けは、例えば、新月から満月まではおよそ14日。当時のユリウス暦上の3月21日と、実際の(天文現象上の)春分との=10日がどういう結果をもたらすか、を考えてみると、「復活祭」の日が、ある年を境に1か月前になってしまう(季節が巻き戻る)、わけです。

キリスト教の行事は、農耕の暦などと密接に関係づけられていましたから、さすがに1か月ずれると、季節も変わってしまい、現実の生活への影響が大きくなりすぎる、ということでしょう。

これが、ユリウス暦がグレゴリオ暦に修正された背景、ということになります。

つまり、1582年の改革は「ニカイア公会議時点の正しい春分に戻す」という明確な目標を持っていました。325年から1582年までの約1257年間で蓄積した誤差——それがちょうど10日だったのです。

 

1582年、教皇グレゴリウス13世は驚くべき決断を下しました。

「1582年10月4日(木)の翌日を、10月15日(金)とする」

つまり、1582年10月5日から10月14日までの10日間は、制度的に「存在しない日」となったのです。

暦の修正ということが、人々に生活にとんでもない影響を与えただろうことは、想像に難くありませんね。人々は10月4日の夜に普通に寝て、起きたら10月15日になっていました。時間そのものは連続していたのに、日付が<不連続に>ジャンプした。

この奇妙な「暦の裂け目」を実際に体験してしまった歴史上の人物がいます。キリスト教の聖人、アビラの聖テレサです。

スペインの神秘思想家である彼女は、ユリウス暦1582年10月4日の夜に亡くなりました。葬儀は翌日。そして翌日、スペインはグレゴリオ暦を導入しました。その結果、記録上は以下のようになりました。

死亡日:10月4日(ユリウス暦)
葬儀日:10月15日(グレゴリオ暦)

亡くなった翌日に葬儀が行われたのに、日付は11日後?

神との合一を説いた神秘思想家が、皮肉にも人間が作った時間制度の断層に、その最期に日付を刻みつけた、ということになるでしょうか。

さらに興味深いのは、この「10日飛ばし」に従ったのは、カトリック諸国だけだったということです。プロテスタント諸国やイギリス、ロシア正教圏は「ローマ教皇の押し付け」として強く反発し、何百年もの間、古いユリウス暦を使い続けました。

その結果、17世紀から18世紀のヨーロッパでは、国境を越えるだけで日付が10日以上ずれるという、現代では考えられない状況が続きました。同じ太陽、同じ月を見ながら、人々は異なる日付を生きていたのです。

イギリスがグレゴリオ暦を採用したのは1752年で、このときは11日を削除しました。民衆が「Give us our eleven days!(我々の11日分を返せ)」と叫んだという記録が残っています。ロシアに至っては1918年の革命後まで旧暦を使い続けました。

最初に紹介した、ウェールズの「ヘン・ガラン」のように、今でもユリウス暦の新年を祝う文化が残っているのは、単なる伝統の保存ではありません。それは「正しい時間を誰が決めるのか」という問いへの、静かな抵抗の形でもあるのですね。

 

暦の変更といえば、日本人の私としては、陰暦というものを、思わずにはいられません。来月、奈良・東大寺二月堂の「お水取り」にまいりますが、この行事、本来は旧暦の新月から満月まで——月の満ち欠けと共に行われていました。

天平時代から1270年以上続く行事。松明の炎と天空の満月が織りなす神聖な時間。しかし明治の改暦で、修二会の行事は、新暦の3月1日から14日に固定され、月との繋がりは失われました。

昨年はたまたま新月が3月1日と重なりましたが、今年は違います。

「本来の暦で、満月の下で行いたい」という感情は、決してノスタルジーではありません。それは「時間の意味は、天体や季節や祈りと結びついているべきだ」という、人間本来の時間感覚の表れなのでしょうね。

 

そう考えると、ただの「1月14日」や「3月1日」も、少しだけ違って見えてきませんか? その背後には、月の満ち欠けや、祈りのリズム、人々がつむぎ続ける生活の、小さな感情の折り重なりが、見え隠れしているようです。

 

 

VESPERA II で、ばら星雲を撮ってみた

昨日は、割とシーイングが良かったので、久しぶりに遠征してこようかなぁ、とVESPERA IIで何が撮れるか、調べてみましたら、ああ、「ばら星雲」ね。以前、天体写真を始めたころ、ツイッターのお仲間がよく撮影画像をアップされていたのですが、自分で狙ってみても、さっぱりだったんですよね。笑

よし、頼れる相棒VESPERA IIを連れて、「ばら星雲」を撮りにいきますか。

このところ、お天気に恵まれていますね

撮影地、撮影日を指定すると、撮影可能な天体をピックアップしてくれます。まあ、こういうのは、最近のナビゲーションアプリでは、標準ですね。

「ばら星雲」、昔の記憶では、オリオン座の左上の方だったかな、と思いつつ、ステラナビゲーターで一応確認。ベテルギウスとプロキオンの間なんですね~。

撮影時間の目安は、30分との表示。しかし、VESPERA IIの撮影時間は、だいだい2~3倍かかりますからね。特に、私はだいたいはモザイク撮影なので、2~3倍は見た方がいいです。

なので、賞味の撮影時間は1時間半。私の遠征地は、朽木というところで、車で1時間半かかるので、夕食後、もたもた出かけて、撮影開始は23時か。

ばら星雲。冬の星座の中心にある巨大な星雲です(ステラナビゲーター12より)

朽木到着、22時半。まあ、予定通りです。とりあえず、VESPERA IIをセットアップして、パパっと(笑)撮影開始。

このあたりは、もう慣れたものです。目が慣れてくると、やはりシーイングがいいです。SQM値を測ってみると、おお、20.50。京都市外から、1時間半でこのシーイングなら、文句のつけようがありませんね。

ばら星雲付近の空の暗さ(SQM値)を測ってみる

後は、星空を眺めながら、待つだけです。私の仕事は、VESPERA IIをきれいな空の下に連れてきてあげるだけ。極軸合わせもなし、カメラの設定もなし、導入も自動、霜よけまで自動です。おまけに、撮影地は、道の駅の真横で、車から、数十メートル、土手を上がるだけなのです。

撮影開始後、2時間半で、ちょうど1時間分撮影済み

この写真の右側に、「383」と表示されているのが、撮影インターバルの回数で、既定は10秒で1回撮影となっています。この時点で、383×10=3830秒。上部に、1時間3分50秒と表示されていますので、1時間3分で、383枚の写真をスタックした、ということですね。

右上に「1」の表示があって、四角い囲みがまだ描画途中ですが、これもインジケーターで、私はパノラマ撮影しているので、撮影写野を少しづつずらして予定のエリアを撮影し終えると、1クール完了、となります。

賢すぎる。(^^)/

撮影完了。撮影時間1時間24分。撮影枚数506枚

撮影開始から、3時間。午前2時で、とりあえず撮影終了。実質撮影時間約1時間24分。やはり、撮影時間の2倍くらいかかる、ということですね。撮影枚数は506枚でした。

10秒×506=5060秒で、1時間24分、という計算ですね。撮影ごとに写野を少しずつずらしていくので、実際の撮影時間(今回は約3時間)は2倍ほどになるわけです。モザイクモードでなければ、もう少し、時短できるかも。

で、帰ってから、PhotoShopでRAW画像を少しだけレタッチ。「ばら星雲」ちゃんと撮れました~。

VESPERA II で撮影したばら星雲。PhotoShopで軽くレタッチ

ね、簡単でしょ?笑

電子観望のいいところは、逐次、モニタを見ながら、撮影できるところですね。「うまく焼けたかな~」と確認しながら、料理している感じ。私のような、カメラ音痴でも、十分、天体写真撮影を楽しめます。

まあ、AIみたいなものですね。今はまだむずかしいですが、そのうち、惑星撮影も手軽に楽しめるようになるかも、知れませんね。

天体写真、楽しいですよ。

あなたもどうです? VESPERAをお供に。(^^)

 

www.astroarts.co.jp

 

 

新月から下弦まで曜日が揃う月があるのはなぜ?

今月は、京都とは祇園祭一色。山鉾巡行が有名だが、実際は毎日さまざまな行事が行われていて、ファンには、見逃せない行事もたくさんあるので、カレンダーに書き込みながら、なんとなくぼんやり眺めていると、ふと、「月の位相」の並びが目についた。

このGoogleカレンダーの追加カレンダーは、新月・上弦・満月・下弦の各フェーズをシンプルに表示してくれるので、天体観測の予定をたてるのに便利なのですが、今日は何となく違和感があって、考えてみると、ああ、曜日が揃っているのか。

ふつう、すこしずつズレていかないのかな、と思い、カレンダーを進めてみると、やっぱり揃っていない。もしかして、曜日が揃うのはめずらしいのかしら、と、過去のカレンダーをくってみると、ないことはないんだな。前回は2月、その前は去年の7月。・・・ 同じ月だな。

というわけで、ちょっと、面白そうなので、調べてみました。


今月の「月の位相」。新月・上弦・満月・下弦が同じ曜日に並んでいる

こちらは、9月。各位相の曜日がズレているけど、この方が確かに見慣れた感じですよね~。

試しに別の月を見てみると、やっぱりバラバラ。笑

なにげに、どんどん過去にさかのぼって眺めていると、Googleカレンダーに取り込んでいる「月の位相」は2年くらいしか遡れないようなので、もう少し見てみたいなと思って、アプリを検索してみたら、これが目に留まりました。年額300円くらい。欲しかった表示もあったので、インストールしてみました。

Moon Phases and Lunar Calendar

Moon Phases and Lunar Calendar

  • Kinetic Stars
  • Weather
  • Free

apps.apple.com

 

2020年まで、調べてみたのですが、別に2月と7月だけではないのですね~。多少、なぜか残念な気持ちになりつつ、まあ、気を取り直して、とりあえず全部ひろってみました。

結果は、下の表のとおり。やっぱり、これ、傾向ありますよね?笑

5月に気が付かなかったのは、月を跨いでいたからですが、そういうときは、4つのフェーズの多く含まれるほうにカウントし、半々なら、前の月にカウントしています。

 

新月から下弦の曜日が同じとなる月
  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2020年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2021年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2022年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2023年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2024年
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2025年
 
 
 
 
 
 
 
 

 

こうなると、理由が知りたくなるのが人情というもの、とか思いつつ、つらつらと、考えを巡らせてみました。

まあ、最初は、2月と7月だと思ったので、これはてっきり地球の公転周期と関係があるなと考えていたのですが、この表をみるかぎり、それだけじゃなさそうです。

近日点、遠日点で、月の各フェーズの所要時間が影響される「説」笑

そこで気になるのが、やはり月の公転速度ですよね。今月の月の位相の変化を見てみると、曜日は揃っているものの、満月→下弦→新月→上弦の移行の所要時間は、まったくバラバラでした。

つまり、ある時は早く、ある時はゆっくりとフェーズが移行しているが、それがたまたま、4回連続で、次の同じ曜日に収まった結果である、ということです。所要時間は、間の日を全部足すと中日だけで144時間になるので、簡単のために、これは無視することにして、今月(2025年7月)について計算してみると、各位相の移行に要する所要時間は、満月から下弦は 28h01m、下弦から新月は 18h33m、新月から上弦は 41h30m となりました。

数字をみてみると、そんなに違いがあるんだ、と少し驚きました。計算間違いじゃないかと、何度もやり直したり。笑

カレンダーに「●近」とマークした日は、月の近地点通過日で、この前後で地球に最も近づいて、公転速度も速くなっています。逆に「●遠」とマークされている日は、遠地点通過日で、この前後で地球から最も離れ、公転速度も遅くなっているのですね。

よくみると、端的に、近地点通過の前後で位相の移り変わりの所要時間が短くなり、遠地点通過の前後では、その逆のことが起こっていますね。それにしても、この月の例だけで言っても、最短で18時間、最長で41時間という時間の違いがありつつ、曜日が揃うというのは、なかなかストライクゾーンが狭そうです。

今月の月の位相の変化。曜日は揃っているが各週の所要時間はまちまち。

試しに、別の月(2025年9月)についても、調べてみると、おお、見事にズレていっている、というかこの方が見慣れた感じです。所要時間はどうなっているのでしょう?

満月から下弦が 16h24m、下弦から新月が 33h21m、新月から上弦が 52h00m となりました。今月は、新月から上弦で41時間もかかって曜日が移らなかったのに、9月は下弦から新月で 33時間なのに曜日が移りましたね。下弦が 19h33mスタートだったので、時間が押したのと、下弦をすぎてからすぐに遠地点に向かいだして、公転速度が減速したことが影響したのでしょうね。

別の月も調べてみる。やはり曜日はバラバラ、というか見慣れた感じ

つまり、月の位相の移り変わりに要する所要時間は、

  • 月の公転速度の変化
  • 地球の公転速度の変化
  • 開始フェーズの時間

これらが、影響していて、一筋縄ではいかない、ということのようですね。

そのなかでも、やはり月の公転速度の変化が大きな影響を与えているようですが、それだけでは、最初の疑問である、どうして曜日が揃う月に偏りがあるのか、ということを説明できそうにありません。

どうも、頭ではイメージしにくかったので、地球の公転と、各月の「月の位相」と近地点・遠地点通過日の関係はどうなるのか、作図してみました。あまり、正確ではありませんが、(つまり月の軌道は螺旋を描くはずですから)、イメージ的に考えると、考えやすいのです。右脳系。笑

月の位相の移り変わりと近日点、遠日点通過のタイミングを調べてみた

で、この図、何を意味しているのかなと、しばらく眺めていたのですが、「近」、つまり近地点通過日をみると、月が進むにつれて、日にちが早く(前倒しに)なっています。例えば、4月28日の次は5月26日、以降 6月23日、7月20日・・・という感じですね。

だいたい、2~3日ずつ月齢周期とずれていくので、ちょうど1年1か月で、月齢と近地点通過日が再同期するのだそうです。

こちらはAIのノート。

月齢と近地点周期のズレとビート周期計算

一応、上記の今年の例で、確かめてみると、2025年は1月8日が最初の近日点で、この時の月齢は8でした。概ね 413日後ということで、近地点通過日を調べると、2026年2月26日というのがありました。これで 415日後。月齢 8.4。まあ、再同期した、ということですね。

この「朔望月 × 14回 ≈ 413日」という近似で新月と近地点が重なる日が巡ってくる、という現象は古来から知られていたようで、昔の陰暦では、スーパームーンや食の予測にこの周期を利用していたそうです。

 

「近点月」というのは(個人的に)耳慣れない周期ですが、27.4456日。ということは、30日の月で2日半、31日の月で3日半ほど、近地点通過日は早く(前倒しに)なっていくのですね。この「ズレ」ちょっと興味がわきますよね。笑 

たとえば、5月は13日(火)満月はじまりで、曜日が揃っています。遠地点5月11日(日)・近地点5月26日(日)です。次第にズレていく、月の位相と近地点・遠地点のタイミングの中で、ちょうど、月の位相の移り変わりに要する所要時間の「バランスが(絶妙に)とれて」曜日が揃ったのでしょう。

つまり、フェーズの移り変わりのどのタイミングに近地点が来るか、ということが重要で、たとえば、1月経過後の6月はどうなるか。近地点が3日半ほどズレますね。遠地点6月7日(水)・近地点6月23日(金)。これでは、曜日が揃わなかった。

 

だんだん、シンプルな解がなさそうな予感がしてきましたが、やはり、曜日が揃う月に偏りがありそうなのが、どうしても気になるので、もうすこしだけ・・・。

 

こういう時は、帰納的に考えないとね。とりあえず、手を動かすべし、ということで、まずは、曜日が揃った月の開始フェーズの月の位相と近地点のタイミング(4つの位相のどのあたりで近地点となるか)を調べてみました。

表をぼんやり眺めていて気が付いたのは、まず、新月前後が近地点であるときは、開始フェーズの月の位相は満月か下弦。満月前後が近地点であるときは、開始フェーズの月の位相は新月か上弦、となっています。

また、開始フェーズの月の位相も、次第にズレていっていること(前倒し)。曜日が揃った月の開始フェーズの月の位相と近地点とタイミングも、次第にズレています(前倒し)。

これはつまり、上記のビート周期、ちょうど1年1か月で月齢と近地点通過日が再同期する、という現象の結果である、と言えそうです。アバウトに、ですけどね。笑

曜日が揃った月の開始フェーズの月の位相を調べてみた

下図は、曜日が揃った月の位相の移り変わりを一覧にした、作業用のマトリックスです。近地点・遠地点が、各フェーズのどのあたりに来ていたか、また位相の移り変わりの所要時間も書き込んでいます。

新月から下弦の曜日が同じとなる月(2020〜2025年)

この作業用の図から、開始フェーズの月の位相は無視して、フェーズの移行時間が最短になったものを調べてみると、調べたケース(2020~2025年の期間で曜日が揃った月)のすべてにおいて、第2フェーズから第3フェーズへの移行時間が一番短いことがわかりました。おお、これはちょっと美しい。

曜日が揃った月の各フェーズの移行時間が最短のもの

この2→3フェーズの移行時間が適度に短くなって、位相の移行がちょうど曜日の周期(7日)に収まりやすくなるときには、月と地球の運動に、どういうバランスが出現しているのでしょうか?

 

新月前後に近地点を通過するとき>

  • 地球が遠日点付近にあれば、2→3フェーズは、下弦→新月
  • 地球が近日点付近にあれば、2→3フェーズは、新月→上弦

<満月前後に近地点を通過するとき>

  • 地球が遠日点付近にあれば、2→3フェーズは、上弦→満月
  • 地球が近日点付近にあれば、2→3フェーズは、満月→下弦

 

やはり、何かの傾向がありそうなので、最初の仮説にしたがって、仮に、地球の近日点・遠日点で曜日が揃いやすい、として、曜日が揃った月のうち、1月(近日点付近)と7月(遠日点付近)をとりだして、第2~3フェーズの所要時間を整理してみました。

今度は、近地点・遠地点通過のタイミングを、新月前後・満月前後から、前なのか後なのか、更に何日前・何日後なのか(表には入れていませんが)、のレベルまでこだわりました。

さて、月の位相は約29.5306日周期(朔望月)で巡るので、単純に4で割ると7.38265で、曜日が繰り下がっていくので、月が近地点付近にあって、月の公転速度は速くなることは、曜日が揃うためには、有利に働くと言えるでしょう。

次に、一般に、月の公転と地球の公転の関係では、下弦→新月新月→上弦のフェーズでは、月の公転と地球の公転の方向が逆なので、所用時間が短くなる。逆に、上弦→満月と満月→下弦のフェーズでは、所用時間は長くなると思います。ただし、短くなりすぎても、曜日が繰り上がってしまうので、曜日は揃わない。

ここに、地球の公転運動の影響がかぶさって来るんですよね。

 

地球の公転運動が月の位相変化の所要時間に与える影響

地球の位置 地球の公転速度 位相変化の
所要時間
位相変化の所要時間
近日点(1月) 速い(約29.3km/s) 長くなる傾向 地球が速く動くため、太陽との角度が変わりやすく、月の到達に時間がかかる
遠日点(7月) 遅い(約28.8km/s) 短くなる傾向 地球がゆっくり動くため、太陽との角度が変化しにくく、月が早く追いつく

 

つまり、地球が近日点・遠日点付近にいるとき、月の位相変化の所要時間に対する地球の公転運動の影響が最大化するわけですね。つまり、地球の公転速度が、月の位相の変化の所要時間を増価させたり(近日点付近)、平均化させたり(遠日点付近)、数時間以上の影響を与えるので、「その分、調整幅ができる」と考えてはどうでしょう。

他のフェーズで、そこそこ所要時間がかかっても、この第2~3フェーズで、キュっと時間短縮してバランスをとる。それができるときに曜日が揃う、というわけです。

 

しかし、前述のビート周期によって、月の位相と近地点のタイミング、地球の近日点・遠日点との関係は、およそ1年1か月周期でズレていくので、大雑把に言って、新月・満月前後が近地点であり、かつ地球の近日点・遠日点と重なるタイミングで、曜日が揃いやすい、と考えられますが、なにせ絶妙な時間調整なので、あくまでファジーな機構が働いている、ということなのでしょう。

 

で、だから何? という感じですが、ふとした思い付きで考えてみたものの、結果的には、そんなこともあるよね、くらいのことでした。涙

 

まあしかし、こんな事でも、ChatGPTに言わせると、地球と月の「二重の楕円運動」の相互干渉が、月の位相と曜日の一致の背景にある「非線形的な共鳴現象」ということになるらしい。あらあら、ピタゴラス派なら「天球の音楽」の一節に加えてくれたかしら。(笑)

そういう意味では、天文ファンはいわば、「見かけの運動と実運動の関係」に魅了されたという人々、かも知れませんからね。それなりに、楽しめました。(^^)/

 

 

動画は、ヨーヨー・マ無伴奏チェロ第1番プレリュードです。めくるめく回転運動に思いを寄せて、ということで。笑

 

それでは、皆さま、良い夢を。

 

 

 

いて座 干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)

梅雨の中休み。広域には雲が広がっているが、京都周辺はなかなかのシーイング。また、しばらく行っていないな~と思って、朽木まで出かけてきました。

ChatGPTに聞いてみると、こんな感じ。

ChatGPTの今夜のおすすめ(笑)

ああ、でもたぶんVESPERAは、モザイクモードだと3時間くらいみた方がいいと思うので、干潟星雲と三裂星雲だけでいきましょうか。

ためしに、モザイクモードで、画角がどうなるかも、ChatGPTに聞いてみる。

干潟星雲と三裂星雲をモザイクモードで撮った場合

モザイクモードの選択肢に(2x2)が見当たらないけど、まあ(3x3)になるんでしょうね。なかなか、良い感じです。これでいきましょう。

と言いつつ、なんだかんだぐずぐずして、結局、朽木に着いたのが23時過ぎ。3時間みて、まあ3時か。空模様はなんとか味方してくれているみたい。(^^)

なかなかのシーイング。左が23時半、右が3時

さて、VESPERAは撮影する天体を選択すると自動導入してくれますが、一応、目測でも位置を確認しておきましょう。

これは、iPhoneアプリの「星座表∞」です。昔から使ってる。シンプルかつ自由度が高いので、パパっと使えるところが気に入っています。

いて座と干潟星雲(M8)・三裂星雲(M20)

こちらは、iPhone15のナイトモード。遠く、京都・大津の街明かりはあるものの、一応、いて座の天の川銀河の中心方向が写っていますね。携帯できるサイズの三脚には載せていますが、シーイングがいいせいか、思ったよりしっかり撮れていました。

 

さそり座、いて座とM8・M20

VESPERAは撮影しだすと、何にもすることがないので、こんなのも一応パチリ。モザイク撮影なので、天体の周辺を少しずつ画角をずらしながらだいたい10秒露出でシャッターを切って、撮影した画像をどんどん追い焼きしていくわけです。実際は、もっと複雑な合成作業をしているようですが、天体写真も変わりましたね~。

干潟星雲、三裂星雲を自動導入するVEAPERA 2

でも、こうして星空を眺めていると、それだけで幸せだな~と思います。至福の時、ですね。

 

さて、一応、3時をめどに撮影終了と思っていたのですが、ふと気になってみると、いて座が木立にかかりそうな感じ。あと、10分。まあいいか、と思い、撮影終了して、VEAPERAの電源を落としたのですが、あれ?アームが半分しか収納されていない。

どうもバッテリーが切れたようです。ジャックリー400で充電しながら撮影していたのですが、通電していなかったもよう。あやうく最終のTIFFファイルを保存しそこねるところでした。汗 虫の知らせ、というやつですかね。良かった~。

 

で、次の写真が、今回の釣果、最終の撮影画像です。でもこれ、その「最終のTIFFファイル」を加工したものではなく、(そもそも作業していない)、電子観望用のJPEG画像なんですよね。別に、これでも、私は十分満足ですが。笑

干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)※クリックすると少し拡大します

下の写真は撮影中のiPadでの電子観望の様子です。撮像が仕上がっていくようすをリアルタイムで確認できるわけです。そういう意味では、今までみたいに、現像してみて浮かび上がってきた星像に感動する、みたいなことはありませんが、まあ、しかし電子観望の画面に映し出されていくようすをみても、やはり感動はしますね。

iPadで電子観望。トラブルに備えて時々写真を保存する

 

🔭 干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)の基本データ<ChatGPT>


干潟星雲(M8)

  • カタログ番号    Messier 8 / NGC 6523
  • 星座    いて座(Sagittarius
  • 種類    散光星雲(HII領域)+散開星団NGC 6530)
  • 距離    約4,100光年
  • 見かけの大きさ    約90′ × 40′(満月の3倍近く)
  • 実際の大きさ    約140光年
  • 明るさ    約+6.0等(肉眼可)
  • 特徴    星形成領域が活発で、暗黒帯が雲を分断して「干潟」に見える。南天の代表的な天体の一つ。

三裂星雲(M20)

  • カタログ番号    Messier 20 / NGC 6514
  • 星座    いて座(Sagittarius
  • 種類    散光星雲(HII領域+反射星雲+暗黒星雲の複合体)
  • 距離    約5,200光年
  • 見かけの大きさ    約30′ × 30′(満月程度)
  • 実際の大きさ    約50光年
  • 明るさ    約+6.3等(M8よりやや暗め)
  • 特徴    赤いHII領域・青い反射星雲・黒い暗黒帯の三重構造が魅力。M8と対照的な色合いで人気。

 

《観測メモ》

干潟星雲(M8)は、iPhoneのナイトモードでも写りますね。満月の3倍近い見かけの大きさがあるそうです。

それに比べると、三裂星雲(M20)は小ぶりですが、ぎゅっとまとまった印象がロゴマークのようで、写真が引き締まる感じがしますね。

VESPERA 2のモザイクモード(3×3)なら、この2つを一緒に構図に収めることができます。

三裂星雲のすぐ左上、ちょっと控えめに光っているのがM21という散開星団です。派手な星雲に比べるとちょっと地味ですが、よく見ると青白い星たちが静かに煌めいています。まだ、誕生して数百万年の若い星たちだそうです。

 

ところで、今回(いつも?)、あわてて出かけたので、月齢を見ていなかったんですよね。0時過ぎに下弦の月が出てきて、「あらら」という感じでしたが、いて座からは90度くらい離れているので、あまり影響はなかったかも知れませんが。

ふと思いついて、月の周辺(東)とその反対側(西)の空の暗さを比べてみました。結果は、下の写真の通り、月の周辺のSQM値は15.77、その反対側は19.92でした。京都の市街でもシーイングがよければ、17台くらいはいくと思うので、やはり月明かりのインパクトは結構強いですね~。

下弦の月付近と月のないエリアでSQMを比較してみた

帰路、京都までは50キロ。冬場はあんなにたくさんいた鹿たちの姿はまったくなく、やはり、餌を求めて、里に下りてきていたんですかね。

4時半帰宅。天文ファンの午前様、です。笑

 

無伴奏チェロ組曲4番。次の私の課題曲です。この動画、昔から大好きなんですよね。途中、教会の鐘が鳴りだして、それが妙に動画に溶け込んでいる。

それでは、皆さま、よい夢を。

 

憧れのおとめ座銀河団を VESPERA で撮ってみた

ツイッターをやっていた頃、誰かが「春の銀河祭り」と呟いていて、何となく魅力的な言葉だなぁと思っていたのですが、お仲間がツイートされた「マルカリアンの鎖」の写真をみて、びっくり。素人目には、あのハッブルディープフィールドの銀河で埋め尽くされた写真のイメージそのもので、ワンショットの中に、いくつもの銀河が、なんとなく弧を描くように浮かんでいる様子が、目に焼き付きました。

私が「こんな写真が撮れたらなぁ」というと、「普通に撮れちゃいますよ」と言われたのですが、そうなんだ、と思ったものの、その時は、それがどこにあるのかも知らず(おとめ座なんでしょうけど。笑)、そのままになってしまいました。

その後、何年か前、コロナ下で、京都の北部、綾部市に旅行に行ったとき、ふと気が向いて、おとめ座付近の星野写真を撮ってみたら、何となく「マルカリアンの鎖」らしきものが写っていて、ああ、このあたりにあるんだ、と初めて知ったのでした。

おとめ座銀河団の場所を調べてみた

これはその時の写真です。ちょうど2年前なんですね~。ブログの更新も。汗

去年、Vesspera II を手に入れてからは、私にしてはときどき遠征に行くようになり、秋にはアンドロメダ銀河も撮ってきました。

 

Vespera II なかなかいいですよ。私のような初心者でも、何となくそれなりの天体写真が撮れてしまいます。実は、この「撮れてしまう」という感覚をどうみるか、なんでしょうね。確かに、「撮ったぞ~」というのとは違います。やるべきことは、シーイングのよい観測地にVespera II を ≪連れて行ってあげる≫ ことだけ。あとは、iPadに次第に浮かび上がる星像を楽しみながら、星空を眺めてる。私なんかは、それで十分幸せなんですけどね。ああ、星が好きでよかった、と思える時間です。

アンドロメダ銀河(M31)

これが秋に撮ったアンドロメダ銀河です。むかし、ツイッターのお仲間に見せてもらった天体写真と遜色ありません(個人の感想です 汗)。まあ、それはさておき、下は私が子どもの頃に買った「別冊サイエンス」というムックの表紙なのですが、アンドロメダ銀河(当時はアンドロメダ大星雲と言っていましたが)の写真が使われていて、たぶん、ハワイの国立天文台で撮影されたものだと思いますが、天文少年だった私の憧れの写真だったんですよね。これと比べても、まあまあ、感じが出ているでしょ? 笑

1973年の別冊サイエンス

で、本題。おとめ座銀河団の方ですね。ジャジャン。下の写真ですが、え?よく見えない? クリックすると少し拡大しますよ~。名前をふっているのが、ここに映り込んでいる主な銀河です。よくみると、他にもたくさん映り込んでいるんですよね。実は。

「マルカリアンの鎖」は、写真の右上の方の銀河の連なりの部分です。もう一枚、トリミングした「マルカリアンの鎖」も貼っておきますね。

おとめ座銀河団

マルカリアンの鎖

Wikipediaによると、マルカリアンの鎖のメンバーの銀河は M84、M86、NGC4477、NGC4473、NGC4461、NGC4458、NGC4438およびNGC4435ということですが、見かけ上の位置に実際の距離を加味すると、ちょっと違った構造が見えてくるようです。

下の図は私が手作りしたものですが、距離のスケールと5000万光年、5500万光年、6000万光年のところにとっています。これによると、メンバー銀河のM84からNGC4477まで、1000万光年の距離があるんですよね。天の川銀河アンドロメダ銀河の距離が230万光年とも言われていますから、相当な奥行きがある、ということですね。

また、NGC4458はメンバー銀河ですが、こうして立体視してみると、M89、M90、M91の流れに所属しているようにも見えます。

おとめ座銀河団の各銀河の距離

実は、この「おとめ座銀河団」は、さらに大きな「おとめ座銀河団(Virgo SuperCluster)」の一部であることがわかっています。下図は、Wikipediaの画像ですが、何となく、銀河団の連なりのようなものを感じませんか?

おとめ座銀河団の構造
Andrew Z. Colvin, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

銀河団は、ある種の膜構造の中に存在していて、そうした膜はボイドと呼ばれる巨大な気泡のような空間の被膜のようになっているようです。こうした宇宙の巨大構造を、「宇宙の泡構造」と言います。

下図は、Wikipediaの画像をもとに、おとめ座銀河団付近の泡構造を作図してみたものです。こうしてみると、「マルカリアンの鎖」の銀河の連なりも、宇宙の泡構造の一端を見せてくれているんだなぁと、何となく感心してしまいました。

おとめ座銀河団付近の泡構造

話を盛ってないかって?笑 まあ、人間の想像力というのは、すごい、としか言いようがありませんね~。ちなみに、この泡構造は、宇宙創成の際の「インフレーション」という現象の痕跡であると、考えられているようですよ。

 

それで、私たちの銀河、天の川銀河ですが、おとめ座銀河団の一員、といっても、かなり辺境にいるようです。なにせ5900万光年も離れていますからね。下図はWikipediaの画像ですが、中心が天の川銀河。ちょうど真上やや右がおとめ座銀河団(Virgo Cluster)ですね。一方、左下の方に、M31(アンドロメダ銀河)が見つかるでしょうか。おとめ座銀河団から天の川銀河を経て、M31に向かう流れを、「Virgocentric flow(おとめ座中心流)」といい、天の川銀河やM31からなるローカルグループは、おとめ座銀河団の方向に約600 km/sで移動中(落下中?)ということです。写真でも、おとめ座銀河団からM31に至る銀河団の連なりがあるように見えますね。

天の川銀河からおとめ座銀河団を俯瞰する
IPAC/Caltech, by Thomas Jarrett, Public domain, via Wikimedia Commons

ときどき、アンドロメダ銀河は天の川銀河の方向に近づいてきていて、数十億年後には天の川銀河と合体する、というような話が流れてきませんか? つまりは、天の川銀河とM31は、一緒になりながら、おとめ座中心流をおとめ座の方向に落下していく、というとてつもない大きな物語なのですね。いや~、宇宙論って、ホントに面白いです。

 

最後に、ふと、アンドロメダ銀河からおとめ座銀河団を眺めたらどうなるかなと思って、画像を作ってみたので、貼っておきますね。

アンドロメダ銀河からおとめ座銀河団を撮影したら?

ステラナビゲーターの星図と今回撮影した写真を合成しています。天の川銀河は、実はアンドロメダ銀河の画像で代用してたり、めちゃ適当。笑 まあ、ネタですから。

 

宇宙談義はさておき、Vespera、なかなか気に入っています。最近は、京都の北の方、実際は滋賀県になるのかな、朽木というところに遠征していますが、結構、空が暗いのです。スカイクオリティーメーター(SQM-L)で測ってみた今回の撮影時の空の暗さの値が20.5(等級/平方秒)前後。シーイングも良かったですが、よい観測地ですね。

空の暗さ20.5はなかなかの好条件でした

帰路は、京都までだいたい50キロ弱。大阪―京都間くらいですかね。午前3時は野生動物の世界。鹿の群れをいくつもやり過ごして、帰宅しました。三月下旬ですが、まだ峠は2~4度。この日は車でしたが、バイクで行くと結構凍えます。

京都への帰り道の峠付近。気温4度

まあ、でも、なかなか楽しいトリップですね。「賢い相棒くん」をつれて、また通いたいと思います。

 

 

動画は、私の好きなイギリスのギタリスト、アレクサンドラ・ウィッティンガムです。

では、どうぞよい夢を。

 

 

 

京都の綾部市で星空を撮ってきました

ブログに戻ってきて、初めての天文の投稿です。

前に書いていた時は、まだ天体望遠鏡も、天体写真用のカメラも持ってなくて、ちょっと口径の大きい双眼鏡を買ったところで、終わってたみたい。

ツイッター時代、天体写真の先輩諸氏にいろいろ教えてもらって、機材もまあ結構そろってきたんだけど、京都市街ではやっぱり空が明るすぎるし、うちはビルの谷間なので、星空の見える視界が狭くて、これからはちゃんと星の見えるところに出かけて行って撮影しようと、遠征地を探しているところ。

と言いつつ、怖がりで寒がりの私は、計画ばかりしてなかなか実行が伴わないのですが、今度、ゴールデンウィークの家族旅行で行った京都府の北部、綾部市で、初めて星空写真っぽいのが撮れたので、アップしておこうかな、と。

はくちょう座と天の川

しかし、なかなかパッとする写真というのは、むずかしいんですね~。なんとなく眠い感じになってる。(笑)PCで見ると、もうちょっと見栄えがしてたんだけどな。まあ、いろいろ試行錯誤して、やってみなきゃね。

これは、CANON EOS60D(天文改造)で、「スターリーナイト」という街明かりによる白かぶりを抑えるフィルターと、「Twinkle Star」という星に光条を付加してくれるフィルターを使って撮影したものです。レンズはCanonの35mm。だいたい40秒くらいの露出だったかな。

※望遠レンズに合わせて、サイズを選びます。

あと、今回のニューギアは、こちら。電子コンパス。私のマンションが南向きベランダなので、極軸合わせのためのツールは、いろいろ手に入れたのですが、これはパパっと極軸合わせが出来るので、今回のように露出が短めの撮影には、とても便利ですね。

 

で、とりあえず、天の川は写るのかなと思って、はくちょう座付近を撮ってみたわけです。RAW画像もあるので、レタッチすれば、たぶん浮き上がってくると思うけど、でもまあ、何となく撮って出しでも一応、天の川、写ってました。わかります? 綾部市でも、市街地から車で30分くらいのところなんですけど、まだまだ光害の及ぶところではあります。

 

次は、さそり座。8月くらいのさそり座に比べて、この時期のさそり座はずいぶん立っているんですね。ある意味、迫力を感じるかな。時間はちょうど深夜0時頃。山際の明かりが、綾部市街の明かりです。これくらい照らされると、天の川はちょっと厳しいですね~。

春の夜空に立ち上がったさそり座

さそり座の主星アンタレスの別名は「サソリの心臓」。カメラが天文改造なので、普通より赤味が強く出ていると思うけど、印象的な赤い星。個人的に大好きな星のひとつです。

最後は、遅ればせながら「春の銀河まつり」ということで、憧れのおとめ座銀河団付近を撮ってみました。ネットにアップされている写真は、よく見かけるけど、どこにあるのかちゃんと知らなかったので、撮影の勘をやしなうために、付近の星の配置を、一度よく調べて見たかったのです。

おとめ座銀河団の場所を調べてみた

銀河をひとつずつ、星座アプリで回りの星々との位置関係を測りつつ、位置を特定していったので、ちょっと時間がかかったけど、一眼レフ40秒露出くらいのこの写真でも、メシア天体はかすかに写ってくれてるし、マルカリアンの銀河鎖も、心の目で見れば(笑)大丈夫だったので、だいぶ正確に位置がわかったような気がします。

動画は、太陽系から銀河系を飛び出しておとめ座銀河団まで行く仮想宇宙旅行。M87(おとめ座A)に到達して終了しています。(原作は、カリフォルニア大学サンディエゴ校マイケル・ノーマン(Michael Norman)教授による)※下記、天文学辞典に掲載のリンクより

天の川銀河も、アンドロメダ銀河、おとめ座銀河団などと一緒に、おとめ座銀河団の一員だという話を聞いたことがあるんですけど、最後にもうちょっと俯瞰してくれると、お互いの位置関係がわかりやすいと思うんだけどな。でも、ちょっと楽しい。

 

 

astro-dic.jp

 

この日は、他に宿泊の方がおられず、駐車場貸し切り状態で、3時間ほど天体観測させていただきました。

22時に駐車場が消灯するほか、本館の駐車場側の照明も、気をきかせて消灯してくれました。何て親切なんでしょう。どうもお世話になりました。

この日は宿泊がうちだけらしく、駐車場貸し切り

ここは隣接地にフリーキャンプサイトもあり、温泉付きで、なかなかの好条件です。天体観測に申し分ない観測地と思いました。また、ちょくちょく利用させていただきますね~。

 

 

www.ayabeonsen.com