星に願いを

〜かんじんなことは、目に見えないんだよ。心で見なくちゃ〜

蛇座 球状星団M5

最近、気のせいかお天気に恵まれて、星空を見る機会が多いような。

今日も、良く晴れて、上層の薄雲もあまりないので、前回の続きで、牛飼い座から冠座(かんむり座)、蛇座(へび座)と巡ってみました。放射冷却のせいか、ちょっと外に出ていると、寒いですね〜。

さて、今回のお目当ては球状星団M5です。M5は、ヘルクレス座のM13についで、北天で2番目に明るい球状星団です。

星図でみてみると、M5の周辺には、目印になりそうな明るい星はありません。アルクトゥルスを基準に考えると、前回のM3のちょうど反対側、ちょうどアルクトゥルスとM3の距離の2倍くらいの位置にあります。

まあ、せっかくなので、ちょっと星座を巡りながら、探してみることにしました。下図は、アプリ「iステラ」の画面キャプチャです。

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蛇座周辺の星座

牛飼い座のアルクトゥルスからすこし北寄りに双眼鏡を動かすと、すぐに冠座(かんむり座、Corona Borealis)が見つかります。Corona Borealis は「北のかんむり座」の意で、わざわざ「北の」がついているので、当然「南のかんむり座(Corona Australis)」もあるんですね。ただ、南のかんむり座は、蠍座(さそり座)の尾の下、日本の大部分では、地平線ぎりぎりとなるので、日本でかんむり座といえば、北のかんむり座になるわけです。

冠座(かんむり座)のα星の名前はゲンマ(Gemma)で、gemmaはラテン語で「宝石」らしいですよ。

こちらは、アプリ「星座表∞」のキャプチャです。

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アルクトゥルスの北側すぐのかんむり座(α星はゲンマ)

さて、蛇座ですが、この星座、蛇遣座(へびつかい座)を挟んで、頭部と尾部に分けられていることもあって、形がつかみにくいが、双眼鏡で、冠座(かんむり座)から少し南にたどると、蛇座の頭部がすぐ視野に入ります。

蛇座の頭部は、その名に似合わず、双眼鏡でみると、思いの外、美しいです。蛇座Β(ベータ)星は、視等級3.65で、けっして目立った星ではないのですが、周辺の星の粒度がそろっていて、星の色もいろいろで、秘密の宝石箱のようです。

蛇座Β星から、更に南に下がると、視等級2.63の蛇座α星がすぐ見つかりますが、M5はその西側にあるようです。

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蛇座(頭部)とM5(アプリ「星座表∞」より)

「双眼鏡で星空ウオッチング」では、蛇座η星、μ星、M5で正三角形をつくるとありました。

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蛇座α星、またはη星・μ星からM5へのアプローチ

下図は、アプリ「星座表∞」のキャプチャを加工したものですが、M5付近の星が、ミニ・カシオペア座のようなかたちをしていて、これが見つかれば、M5はすぐにわかるような気がします。

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M5付近の星

で、今日は比較的空が好条件だったためか、割とすんなりとM5を確認できました。「あ〜、あれだな」です(笑)。さすがは、北天で1、2を争う球状星団です。

私の双眼鏡8×42では、暗めの恒星の周りがぼやけたような、そんなイメージですけどね。いいんですよ、そんなもんです。

これは、Wikipediaの画像。ちょっと甘いかなぁ。いや、かなり中心部まで分解できていてすごい。

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球状星団M5(Wikipediaより)

(参考)
M5 (天体) - Wikipedia

 

球状星団M5は、星数10万以上、直径165光年、年齢130億年、地球からの距離2万4500光年で、天の川銀河のハロー部分に位置する代表的な球状星団です。

ちなみにハロー部分の半径は7万光年くらい、銀河面の厚みは1万5000光年なので、比較的近傍の球状星団と言えるでしょう。だから、大きく見えているんですね。

 

花冷えというんでしょうか、かなり寒かったですが、今日くらい、空が澄んでいると、都心部でも十分楽しめますね〜。